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放影研研究員が広島市医師会のイベントで基調講演   学生たちにエール

基調講演をする定金敦子研究員
被爆医師と高校生との座談会
(福島県南相馬市の中高生も参加)

「世界の若人へ語り継ごう ヒロシマから」のスローガンを掲げた広島市医師会主催の市民公開講演会が2017年7月30日、広島医師会館(広島市西区観音本町)で開催され、放影研研究員が講演者の一人として参加した。

講演を行ったのは定金敦子広島疫学部主任研究員。基調講演「原爆放射線による長期的な健康影響」と題して、まず、原爆放射線には初期放射線と残留放射線(誘導放射線と放射性降下物)があること、広島と長崎では地理的状況による被爆状況に違いがあること、急性症状にはどんなものがあるか、また、長期的影響として被爆後70年近く経った現在でも、被爆者は非被爆者に比べてがん発症のリスクが高いこと、などについて分かりやすく解説した。次に、胎内被爆者には知的障害や小頭症などの症状が見られること、被爆二世には今のところ親の被爆による遺伝的な影響は見られないが、今後も引き続き観察が必要であることについても触れた。

定金研究員の話はこれらの科学的知見の解説に留まらない。「私は被爆地の出身者ではありません。正直なところ、広島に来るまでは原爆は過去のものだと思っていました。被爆地以外の地域では、原爆や平和に関する意識はそれほど高くないように思います。でも、広島に来て初めて、原爆は過去の問題ではない、身近なものなんだと悟りました」と語る。そして今回の講演会に多数参加していた学生たちに対して、「みなさんがこれから社会に出ていく上で重要なことは、被爆地ヒロシマの想いをしっかり伝えていくことです。今まで学んだ原爆の知識に加え、放射線が人々の健康に及ぼす影響について正しく評価できるようしっかり学んでください!」とエールを送り、基調講演を締めくくった。

本イベントは、次世代へ被爆体験や平和への想いを継承することを目的に、市医師会の「ヒロシマ被爆二世医師会議」が中心となって被爆70年(2015年)を機に立ち上げ、今年で3回目を迎える。今回はこの基調講演のほか、被爆医師による被爆体験の講話と高校生との座談会、広島女学院高等学校音楽部と広島学院高等学校の有志たちによる合唱演奏も行われ、学生、一般市民を含めて約300名が参加する大イベントとなった。